BloodRayne: Betrayal

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BloodRayneといえば、かつてのPCゲーム界のヒロイン代表。多くの日本人が抱くステレオタイプな洋ゲー的な顔立ちの女性だと思っているのだが、今作ではアニメ調に、しかも日本人的に可愛い方向でデフォルメされている。が、全体的にチープだ。
2Dアクションでキャラクターをゴリゴリ動かさなくてはならないので、手間を減らすためにアニメ調にして情報量が少なくしているのだろう。が、やはり下手くそだ。
かの可愛らしいShantaeやらMighty Switch Force!を作っているWayForwardがdeveloperなのに何故。ドット絵の方が良かったんじゃないんですかね。クリア後にアンロックされるConcept Artを見ても、元の絵からしてうーん…しょっぱい同人レベルという感じ。
まあゲームプレイ中は縮小されているのでそんなに気にならないし、軽快にアニメーションするのだが。

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アクションゲームとしては、今のカジュアルな時代とは相反していてかなり人を選ぶ難易度だと思う。アクションが下手な人は楽しめないレベルの難易度だろうし、行き詰まって進めない箇所も多いと思う。腕に覚えのある人でも初回は大分死にながら進むことになるだろう。
Chapter制でクリア毎にプレイングの評価が行われるが、初見だとまず最低ランクのFになるだろう。私は最初のChapterがCなだけで他は全てFでした。

いわゆる一昔前の洋ゲー的に荒い作りも多く、妙なところで難易度が高く理不尽さを感じさせることがある。もはやB級アクションゲームの定番だが、ダウンした後の起き上がりに無敵時間が無いのでハメられたり、等身が低くて攻撃が空振りする敵(というかカエル、カエルが最強)がいたりする。

High Backflipという通常よりも高いジャンプをするテクニックがあるのだが、これがまた入力の判定が異様にシビアだ。Rayneが方向転換をして振り向いた瞬間にジャンプボタンという操作なのだが、振り向くアニメーションを見てからジャンプを押したのでは遅い。振り向きはじめの数フレームの間だけが成功するタイミングなので、その間にジャンプしなくてはならないのだが、レバーを進行方向とは反対方向に倒すのと同時にジャンプでは不可である。僅かに遅らせなくてはならないが、遅らせすぎてもダメ。おまけに左右交互に方向転換を連続して入力している最中にジャンプを押しても発動しないのである。
このシビアさは暴発に困ることはないものの嫌がらせレベルだ。ちくわブロックのみの足場をHigh Backflipの連発で登っていくシーンも用意されているのだが、ここは無意味に難しいと思う。

もちろん外国人の大好きなMetroidvaniaのような即死ゾーンが密集した地帯も中盤あたりから頻出するようになる。即死ゾーンだけならまだいいが、加えて強制スクロールとか、いやらしい軌道の雑魚が飛んできて邪魔をしてくる箇所まである。

あと、終盤からいつでも鳥の形態になれるようになって、主にダメージゾーンのイライラ棒をさせられるようになるのだが、鳥になるのは操作不能のイベントシーンのみで済ましてしまって良いと思う。というのも、鳥になれるようになった直後のChapterから、鳥フォーム強制解除+大ダメージの罠があるゾーンを結局Rayneをアクションさせて進む即死地帯が頻発するからだ。どう見ても鳥フォームを持て余している。

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一度全クリアできるくらい慣れてくると、(High Backflipを除いて)自在に動かせるようになっているので面白い。ドリル棺桶は格好いいし、BGMがシンフォニックメタルなのも良い。
だが、Chapterをやりこもうとすると、Retry Chapterのメニューが無いので、Chapter選択画面に戻ってやり直す必要がある。数は少ないもののイベントシーンもスキップ出来ない。やりこむには少々億劫だ。
獲得できるランク的にもdeveloperは一度クリアしてからやりこんで楽しいんで欲しいのだろうが、下らないところで大分損をしているゲームだろう。

Year Walk

スウェーデンの民間伝承を題材にしたアドベンチャー。

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ここドラッグするのかよとか、ここ連打するのかよとか、アフォーダンス的に謎解きとは関係のないところでイマイチ分かり難い操作箇所が幾つかある。
シンプルな内容でパズルは大したことないが、メモが欲しいところだ。ホラーは唐突すぎてどうでもいい。

で、終わって、Encyclopedia以外はテキストも少ないし芸術性の強いなんだかよく分からん話だな。と、思いきや短いながらも2周目に真実が明かされる。あたかもノンフィクションであるかのように扱い、プレイヤーを没入させてくれる。そこからあそこまでの部分はノンフィクションだよ、と言われてもなんだか納得してしまいそうである。

1月1日にThe Roomよりもこれをやっておけばよかったなあ。

The Room

グラフィックはなかなか良いのだが、2時間程度の物足りないボリューム。元がモバイルだからだろうか。ストーリー的に続くようで、モバイルでは既に2が出ているので、PCでやるには全部出揃ってからの方がすっきりするだろう。

謎解きの質は悪くはないが、特に唸らせるようなものはない。Rev *:**のRevってなんだ?reverseか?とぐぐってみる…クリスチャンじゃないと分からんだろう。しかも大した意味は無かった。
謎を解いた結果の謎機構と辻褄の合わない謎体積で動く仕掛けはなかなか楽しめる。モバイルアプリとしては合間に楽しめて良いだろうが、PCゲーム的にはまあこんなもんか程度。

Abyss Odyssey

ACE Teamは、Zeno Clashではとにかく奇天烈で、Rock of AgesではMonty Pythonなアートスタイルで、良いセンスをしていたが、今回はMuchaだ。

Katrien

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La Pincoya

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エロい(確信)
ポリゴンモデルはまあね…
ただ個人的には、色気のないGhost Monk(両手剣・杖)が一番扱いやすいように思われる。
Katrien(片手剣)は、全体的にリーチが短く攻撃を当てにくいのと、La Pincoya(ハルバード・槍)は、リーチが長く隙の大きい攻撃と、その逆の攻撃が極端なので使い分けが難しい。
どれも慣れてしまえばなんとかなる範囲なので、好みでいいと思うけれど。

で、どんなゲームかというと、2DアクションベースのRogue-likeだろうか。
プロシージャルに生成されたレベルを下層に降りていき、最深部に辿り着く。プロシージャルは別段優れているわけではなく、複数のテンプレートを破綻無くつなぎ合わせたような感じで、特に面白い形状の地形に出会うことはない。
道中で死んでしまうと、弱い捜索隊のようなおっさんに切り替わり、Alterに辿り着くことで復活できるが(何故か出来ないときもある)、おっさんが拾えるのは武器と鍵だけなのでそれらと金以外は失われる。おっさん状態で死んでしまうと、Alterにアイテムを使って回数上限のあるcheck pointとしない限り、レベルと金以外を失った状態で最初からになる。
問題は、中断して終了する手段が無いので、次回始めるときは必ずレベルと金以外が初期状態で最初からになっているということだろうか。一回のプレイ時間が長くなりがちだ。
それから、Alterで復活した時に、左右に一切動けなくなる時があるのだが、こうなるとDodgeなんかでしか移動できなくなるのでまともに進めるのは難しい。泣く泣く再起動をするしかない。

アクションは、レベルを上げることで得られるSkill Pointを、キャンセル箇所と回数を増やすSpecial Cancelsに3費やしてからが本番。というか、これがない状態だと、ニュートラルの通常攻撃の特定箇所にしかキャンセルポイントが無いので、基本的な連続攻撃か、その他の技を単発で出すしかないという、非常に地味なことになってしまう。それに耐えてSpecial Cancelsを3までとるとアクションは面白くなる。
その後は、一部のSpecial AttackにはDefenceにポイントを費やすことで、若干のスーパーアーマーが付くようになるものがあるので、それにポイントを割り振っておくと攻撃の出始めを潰されて押されるということが減るので楽になるだろう。
このゲームは回復手段が少なく、敵を倒したように落とす赤い玉で微量に回復するか、偶に手に入るポーションを使うか、謎のモノクロゾーンで勝利するかをしないと回復せず、常に消耗戦になるので、とりわけDefenceが重要だと思う。
また、マナが最大まで溜まったときに敵をキャプチャーでき、自身がそれ変身出来るようになるが、体力は共有ではなく独立しているため、これを有効に使うことでより消耗を減らせるだろう。

こうしてやり方が分かってくると、Rogue-likeにしてはアクシデントや不幸な出来事や逆に非常に恵まれた出来事というのが起きないことに気がつく。安定して深部まで進められるようになってくる。
最深部まで辿り着いてクリアすると、アイテムも全てそのままでまた最初から始められるので、これまた死ぬことなくエンドレスで最深部まで辿り着けてしまうだろう。中断機能が無いのも相まって、嫌になるまで止め時が無い。そのためにNightmareモードがあるのだが…
ちなみにエンディングは、昔のアーケードゲームかよと思うほどにあっさりしているので、カタルシスも何も無いのが残念である。

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Cognition: An Erica Reed Thriller part 1

Episode 1: The Hangman

サイコメトリー能力を持つFBIエージェントErica Reedによる、シリアルキラーを追跡していくPoint-and-Click Adventure Game。全4エピソード。
かのGabriel Knightで有名なJane Jansenがstory consultantでもある。キャラクターのアニメーションがイマイチなのだが、コミックテイストなビジュアルは個性的。

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Ericaは、赤毛でグリーンの三白眼というなかなか珍しい風貌で格好良い。三白眼フェチにはたまらないのではないだろうか。かくいう私も好きですが。
Gabriel KnightのcomposerであるRobert Holmesの娘(さらにJane Jansenが継母)の、Raleigh HolmesがEricaのvoice actを行っている。縁故なんだろうけれど、なかなか上手いしキャラクターにも良く合っていると思う。さらに女優であり、Robert HolmesとやっているカントリーバンドThe Scarlet Furiesのボーカルでもある。クレジットの歌も彼女。多芸だなあ。
が、彼女のvoice actに関しては、リップノイズ(口開けたときに出るぺちゃくちゃした音)が頻繁に入っていて結構気になる。これは後で除去するのは手間がかかるので、なるべくそれを出さないようにしないといけないのだが。

FBIのエージェントで事件の捜査に関わってくるので、得た状況から報告や推理を選択肢によって求められたりする。明らかに変だったり選択肢も含まれているので、少しは消去法が効くのだが、正しい答えはやはりダイアログをよく読んでおかなくてはならない。少なくとも要点は読めておかなくては、正解は難しいだろうし、話が分からなくて面白くないだろう。正解することは、steamだと実績にもなっている。

難易度はやや高めだと思うのだが、主に詰まるのは特定のフラグを立てないとインタラクト出来ないものが結構あったり、スマートフォンの意外な(しかし現実的な)使い道があったりすることだろう。
そういうときは、父親にこれどうすりゃいいの?とメールすることで助言を請うことが出来る。直球に答えを教えてくれるわけでもなく、かけ離れていることも無い感じでそれとなく仄めかしてくれるのは、世界観も損なわず便利で良い機能である。

問題は、会話くらいしかスキップできる箇所がなく、何をするにしてもいちいちワンテンポの間が生じるので、もたついて試行が面倒なことである。会話のスキップにしても、押した瞬間にすぐ次のダイアログに移るのではなく、微妙な間(実は早送りしている)がある。
The Longest Journeyがその辺のプレイアビリティにはよく気遣いされていて、最近ではBroken Ageも良くできていたのだが…

Episode 1では、Ericaが行き詰まると新しいサイコメトリー技能を教えてもらって進めるようになるシーンが幾つかあって、ご都合的な感じが結構する。だがこれは、Episode 2以降でもそれらの技能を用いていくようになるため、やむを得ないといったところだろう。
犯人を追い詰めていくという感じよりも、犯人がわざと残したり、挑発的に送ってきたりした情報を元に進めていくため、終始掌の上で踊らされているような感じは否めない。とはいえ、クライマックスとなると二転三転しつつ盛り上がるためなんだかんだで楽しめた。

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なお、Raleigh Holmesは現在卵巣癌と闘病中である。快方を願う。