この世の果てで恋を唄う少女YU-NO (2019) #1 Double Direction

Steam版は2019年。移植元のリメイクは2017年のPS4, PS VITA版。
このPS版のリメイクが発表されたとき、どれくらい原作に忠実につくられるのか懐疑的だったし、そもそもPS4もVITAも所有していないので見送っていた。しかし、最近知るところによると、サターン版にかなり近いらしい。

少しプレイした感じだと、原作をリスペクトしていて良いと感じられる部分と、逆に全くそうでない部分が混在していて、まるで原作の理解度が異なるディレクターが複数人いて、それぞれでちぐはぐな判断になったのかなという印象がある。
以下は、PC-98版、サターン版プレイ済みでそういう観点での良し悪し。

良い

  • BGMは控えめにリミックスされていて違和感はない
    • それでも気に入らなかったら原作版に切り替えられる
  • キャラクターボイスはサターン版の声質を意識しているのか、似た感じで違和感があまりない
    • 特にたくやは若すぎず、渋すぎず、檜山修之のようなヒロイックさは無いが雰囲気は似ている
    • 存命の人は同じキャスティングでも良かったんじゃないかな
  • ヒント機能が便利そう
    • 切り替えもできるので、初見プレイなら無効でプレイして欲しいんだけれど、既にプレイ済みの人は最初から有効にして快適にプレイできそう。
  • クリック可能なポイントが全て表示されている
    • Point & Click できないデバイスの都合上こうしたようだけれど、無意味なクリックが減るので快適。初見プレイの人はしらみつぶしにクリックや選択肢の総当たりすることを味わって欲しい気もするけれど、今どきそれは厳しいという判断だろう。
    • 沢山表示されるとゴチャゴチャした感じはあるし装飾が過剰気味だし、キーボードやパッド入力だと鈍いカーソル移動じゃなくてもう瞬時にポイント上に移動して選択状態にすればいいじゃないかと思うが、全体的な印象はよい。

悪い

  • イントロデモ(アトラクトデモ)が無い
    • まず最初に期待しながらしばらく放置したんだけど…いきなりがっかり。
  • 代わりに、プロローグシーンが済むとムービーが流れるんだけれど、MAGESのゲームでお馴染みの、社長が作った有難い曲を流したいだけのイメージムービーに変更
    • 原作だと、広大の行動をたっぷり意味深にBGMに合わせてアニメーションさせるのに、そういう感じも無くただただネタバレダイジェスト
    • メタ攻略部分がほんの一瞬しか流れない。初見の人はまず見落とすし、記憶にも残らない。また、カットされてる内容もある。
    • しかも、ゲーム内でリプレイできない。ネット上で見られるけれど、そんなのは能動的に見にいかないといけないから駄目。
  • アートが見劣りする
    • キャラクターデザインは好みが分かれるところだが、割と(5年前の)今風でデフォルメされて情報量が少ないせいだろうか、原作よりも低彩度で描きこみ量が少ない。
      • それに合わせてか、背景も情報量が少な目になっている
      • さらに表情アニメーションの都合で塗りが簡素化されてしまっている
    • 個人的には、諸々の要因が合わさって全体的にヘタクソに感じる。 原作の方が魅力的だ。
      • キャラクターデザインの人が普段描くアートは知っていて、それよりも上手くないように感じられるので、全体の制作工程によるものだろうか。
  •  UIが世界観無視
    • リフレクターデバイスが画面上に常時表示されない
      • A.D.M.S.起動はただの文字ボタン
    • 鏡にいたってはUI上に全く存在せず、セーブはシステムメニューからペンのアイコンを選ぶ
      • ゲーム内に鏡が出てきても全く意味不明なんだけれど、プレイしたことあるの?
    • 無意味に不透明で過剰なウインドウ装飾でその背後が見えない
      • PC-98の頃は制約上ああいう風になってるだけなので

どちらとも言えない

  • 全体的にリメイク感があるのに、テキストだけは原作ママでいわゆるelfのエロゲーのノリで進むのがチグハグで違和感があるかもしれない
    • しかもフルボイスなのでテンポが悪い。馬鹿正直に読み聞きするようなダイアログじゃないぞそれ。
    • リメイクではなくて、全体的に忠実な移植にしないと解決が難しいと思う。

時間は可逆、歴史は不可逆

GW終わりあたりからYU-NOをやっていて、俺がユーノ・パーフェクトマスターだ!と、綺麗に終わったところで余韻に浸りつつ、雰囲気を壊さないように他のゲームをやるのを避けていた。色々突っ込みどころはあるが、偉大だ。
次は何やろうかなと試しに積みゲーリストを作ってみたら60本程度だった。多いと感じるか少ないと感じるかは人によるが、書き出してみることで消化しないと勿体ないという実感が沸くもので、甲斐はあったようだ。
M&M1とか今やるにはあまり現実的ではないゲームを除いても、まだ50本くらいはあるよなあ。

さて、Drakensangはなにやらひたすら陰鬱としたマップが続きだして大分滅入ってきたのだが、どうしたものか。
他にも試しに色々やってみているのだが、A Farewell to Dragonは前に書いたrotateとtransの感度が違いすぎるのに加えて、rotate中にマウスカーソルが画面端に当たるとエッジスクロールしてしまい、あらぬ方向にカメラがすっ飛んでいくのが致命的で、フラストレーションが溜まりまくる。惜しいなあ。
Planescape: Tormentは今の英語力だとどうかなと挑戦してみたが、最初のMorteとの会話はともかく、次のDhallとの会話が鬼のような文量でひっくり返った。
長文→選択肢が5,6個出てくる→選択肢毎にそれぞれ重複しない長文→別の選択肢が5,6個→選択肢毎にそれぞれ重複しない長文→さらに別の以下略…
こんな調子の文量がこの先も続くはずなので、まだまだ自分には厳しいようだ。Arcanumよりよっぽど難しいと思う。

その他諸々とやって、終わり無きMount and Blade: Warbandをやっていたら数時間が過ぎていたのであった。並行して他にもやらないと。