Resonance part.1

コテコテのold schoolなPoint and Click Adventureである。

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いきなり戸惑うのはインターフェイス上のLTM, STMという文字だろう。マニュアルのpdfは無いので、README.txtを読まなくてはならない。tickerのような表示領域に時折操作に関するtipsが表示されることもあるが、領域が狭すぎて読めたものではない。

LTM: Long-Term Memory
重要な情報を得たら自動で追加される。

STM: Short-Term Memory
マップのインタラクト可能な場所や物を手動で追加することが出来る。

いずれもインベントリのアイテムと同じような扱いであり、調べたり使用したりして解決していく。この独自の要素があるお陰でゲームの難易度は高い。
一般的なゲームでは何かの状況やオブジェクトに出くわすと何らかのフラグが立ち、それに関するの話題を切り出す出す選択肢が出てくるが、Resonanceではそうではない。会話や対象に臨む前にあらかじめ、自分でSTMとしてピックアップしておき、自分で提示する必要がある。いわば見える手動管理されたフラグであるのだが、正解以外の話題の場合、切り出せないかリアクションに乏しく、行き詰まった場合にあれは一体どうなんですかね、これはどうすればいいんですかね、と話題を提示して助言を求めることができない。何が解決の糸口になっているのかが分からないことが多いため難しいのだ。
LTMに至っては長期的に溜まり続けるため、直近のLTMではなく随分過去のLTMを話題として切り出す必要もあるのも難しい。
色々と応用の利きそうなデザインなのだが、割と突拍子もないものが正解だったりするので、結局のところ古典的に総当たりのようになってしまうのが残念である。

Resonance-Character.jpg

さらにこのゲームを難しくしているのは、4人のプレイアブルなキャラクターがいることだろう。ある程度ゲームが進行すると、この4人を殆どいつでも切り替えて操作出来るようになる。それと同時に複数のロケーションにアクセス可能になり、ある程度自由に探索できるようにもなる。
そこからゲームを進めるには、4人のうちの誰かを特定の場所に移動させて特定の行動をとらなくてはならない。つまり、試行することが出来るまたは試行しなくてはならない行動の数が単純には4倍になるということだ。もちろんキャラクターによってアクセスが制限されていたり、話の流れから必然的に関わってくるキャラクターを絞り込めたりするので、実際に想定しうる行動はそれよりも少ない。
しかしながら、あるキャラクターがとあることをしている最中に他のキャラクターに切り替えてある行動をしなくてはならないといったシチュエーションもあるので、単純な総当たりでは解決しきれない複雑な難しさも持ち合わせているのである。

To the Moon

美しいが、惜しかった。
フラッシュバックとかではなく、記憶を遡って紐解いていくというのはのは、ありそうであまり無かったように思う。

逆行中にMementoとかインタラクト出来る場所の量や質をもっと濃くしたり、もっと各々のエピソードや人物を描写して掘り下げたりした方が良かったのに。クリックして球が出るだけとか、その辺が非常に味気ない。

Dr.二人のノリが軽く、しばしばギャグを飛ばすのもなあ。
偶にならまだ良いのだが、口を開く度にやられるともうね。状況が状況だけに全く面白くない。人が死にそうなんだから真面目にやれと(内心は真面目なんだけれど)。個人的にはガチガチのシリアスな方向性にした方が良かったと思うのだが。それくらい重いテーマを扱っているのだし。

反面、曲は非常に美しい。
味気なく退屈なシーンでも曲の雰囲気に流されてしまいそうなくらいに美しい。

以下は、核心的なネタバレ(Spoiler)を含みます。

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Dreamfall: The Longest Journey part.3

The Longest Journeyと名乗るにはちょっとどうなの。
ぶっちゃけThe Longest Journeyの世界観を使う必要がない。ZoeだけにフォーカスすればArcadiaもAprilも全く必要なく話を進められるように出来ている。”Find her. Save har.”なんて言わせる必要はなかったのだ。

Rezaを追っているうちはまだまともな進行ではあったが、そこから後になると起承転結とか序破急なんて知ったことかという、グダグダで一体何がしたかったのかよく分からない散漫的なストーリーテリングになっている。

Arcadiaに行ったはいいが、何の進展もなく帰るとかさあ。それ必要だったの?
Aprilの方も、Rebelsに進展があるようで実は全くないという。ウロウロするだけで他の主人公にチェンジ。ただのファンサービス。
Kian Avelaneは使命を負っているので、そのことについては話が進むが、唐突に掌を返したかと思えばこれまたぷっつりと途絶える。”Avelane”ってあの”Avelane”なのに、何の説明も無いの?

二世界と三者、それからキーパーソンのようでそうでないのかよく分からない大勢の人物達も入り乱れてグチャグチャに舞台を散らかしまくったあとは、まとめきれずに全てが投げっぱなしのまま終わる。
せめてDreamfallはスピンオフとしてZoeのみの話に絞って、AprilとKianの話はThe Longest Journey 2として出すべきだったのではないかね。

実はというほどでもないが、そもそもこのゲームを今プレイしたのはDreamfall Chapters: The Longest JourneyにどれくらいPledgeするかを判断するためだったのだが…やらずに適当につっこんだ方がマシだったのかもしれない。
Dreamfall ChaptersはDreamfallの後始末をするための存在だと思うので、ちゃんと尻拭いをして欲しいという思いは一応あるのだが。

Dreamfall: The Longest Journey part.2

地球の反対側まで飛んでいって、命を危険に晒してまで友人の消息を追うとか、相当な行動力なんじゃないかと思う。素晴らしいことではあるしアドベンチャー的ではあるが、現実的に考えるとなかなか不自然ではある。
地球の反対側とはそう、勘違い日本だ。未来の世界Starkのしかも北海道でこんな木造住宅は流石にねえだろ。「平和」にルビふってあるのが可愛らしい。

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前作”The Longest Journeyの”主人公April Ryanは等身大のあまり脚色されていなさそうな感じだったのだが、Dreamfallの第一の主人公Zoe Castilloはそういう感じでなんだかヒロイックに扱われているような印象を受ける。前作のAprilと同じような指向のキャラクターにしても駄目なので、そういう感じの方向性にしたのだろうか。

Dreamfallでは複数の主人公に切り替わりながら、複数の視点でプレゼンテーションされていくようになっている。
Dreamfallでの第二の主人公である我らがAprilは10年経っているので色々とあった様子。ArcadiaがStarkと同じ時間の流れだとすると、年齢は実に28歳!
The Longest Journeyでは可愛らしいVoice Actingで好きだったのだが、歳食ったからなのかなんだかちょっと声が違うということでVoice ActressのSarah Hamiltonについて調べてみたところ、2002年に多発性硬化症、2004年に癌という、大丈夫なのか?とかなり心配に。現在はどうなのか詳しくは分からず、どうも術後経過観察中(医学英語はよく分からん)らしいが、2006年発売のDreamfallの収録時はかなり大変な時期だったのではないかと思う。
続編のDreamfall ChaptersでもAprilのVoice Actressは彼女に決定ということで、喜ばしくはあるが無理せず大事にして頂きたいと切に願う次第である。

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さて、DreamfallではPoint and ClickからThird Person Viewのアドベンチャーになった。
恐らくコンソールでのリリースも意識してのことだろうが、これがまた慣れていないというかやってはいけないデザインがふんだんに盛り込まれていてゲームプレイをつまらなくしている。
カメラは愚直にキャラに連動して動くし、障害物はうまく回避してくれないのでガクガクだ。梯子を登るだけでも、それ必要か?というようなZ軸の回転がグリグリと入るため酔いそうになる。
ステルスや戦闘も今回から追加されたが、どちらもお粗末すぎてやる意味がない。ステルスは大抵見つかると敵が近寄って来て逃げられずに殴られて即死になってしまうので、もう面倒だから見つかった瞬間リロードしてくれと思ってしまう。
コンソールの所為でJournal機能も劣化していて表示領域も狭く、遡って読める範囲も限定されている。

全体的に無駄な移動を要する進行も増えていて、

Aに会うにはBに聞け→Bのお使いでえっちらおっちら街の隅々を数回往復する→Bは実はAのことを知らんからCに聞けという→Cのお使いでえっちらおっちら往復する→やっとAの居場所がわかる

なんてのもあったり。明らかにCの人物はいらんだろうし、お使いで手に入れるべきアイテムも街の反対側に配置とかいうのは止めるべきだろ。
前作なら例えこんな酷い進行があったとしても、ロケーションを一気に移動したり早送りしたり出来たんだがね。

Dreamfall: The Longest Journey part.1

あれから10年…

初っぱなから何から何まで前作The Longest Journeyをやっていることを前提としているので、The Longest Journeyをやっていない人がやると、何だかよく分からずにつまらないものになるのではないかと思う。

プレイする側もThe Longest Journeyの続編であることを期待してプレイしているはずだが、あいにくDreamfallの立ち上がりは遅い。どうでもよさそうな話からじわじわと関わり始めていくので、非常にかったるい。過去のボーイフレンドなんてどうでもいいじゃないか、そんなことよりもAprilだろ…というね。

あまりアドベンチャーゲームに造詣が深いわけではないのだが、これまでに面白かったアドベンチャーというのは、いきなり自殺を図ったりいきなり異世界に飛ばされたりいきなり交通事故で意識不明の重体になったりしていた。プレイヤーを惹きつける劇的なイントロは欠かせないのではないかと思う。
とにかくDreamfallでは、一見どうでもよさそうな(よくはないのだが)最初の数時間を乗り越えて、「あれ、もしかしてこの場所は前作の…」ということになってくると、ようやくエンジンがかかってくる。

Dreamfall-TheBorderHouse.jpg

とりあえず気になるのが、キャラクターの表情が非常に乏しい。
主役級のキャラでも、ほぼ無表情で目と口だけ動かして喋っているのが不気味だ。その辺のNPCとなると口しか動かない。2006年のゲームなので、表情豊かなHalf-Life 2だとかVampire: The Masquerade – Bloodlinesなんかはとっくに出ていたわけだから、もうちょっと頑張って欲しいところである。