Mutazione #1 Crossing


ここ数年、マウスとキーボードの打鍵のし過ぎで特に右手人差し指と中指が腱鞘炎気味で、負荷をかけすぎるとすぐに痛むようになってしまった。少しでも指の負担を軽減するために、マウスはかれこれ20年以上愛用していたIE3.0から、キーボードと同じ無接点のReal Force Mouseを使うようになったし、左手用のマウスも用意して負担を分散するようにしている。
そんな状態なので、マウスを使用しなくて概ね親指だけで操作出来るパッド操作に対応していて、操作頻度も多くないアドベンチャーゲームが遊ぶのに適しているんじゃないかと思ってそういうスタイルで遊んでいる。

Mutazione は、リリース時(2019年9月)に一目見てこのゲームは当たりだと直感的に思って買ったゲームなんだけれど、そのあとのIGF 2020で多数ノミネートされていて、目利きは確かだったと自画自賛したのを覚えている。余談だが、そのときのIGFの最優秀賞は A Short Hike で、そっちは発売前から目をつけていたタイトルだった。
しかし Mutazione は、その時は触りだけで全然プレイできていなくて、はや数年が経過してしまっていた。

ゲーム内容は、本格的なアドベンチャーゲームではなくて、歩き回って人とお話していく程度のカジュアルなゲームデザインになっている。さらに主人公は途中からあちこちの庭園の世話をするようになるんだけれど、それもゲーム性はほぼ無くて、話の内容に適した種を植えて促成栽培すればいいだけで特にやりがいは無い。
そういうカジュアルなゲームデザインと同様に、舞台となる島とその人々(ミュータント)は、世間とは隔絶された場所と時間をゆったりと嫌味なく生きていて居心地がよい。前述のとおりパッドでダラダラとやるにはちょうど良い内容だ。
ひたすら優しい(ぬるい)お話が続くのかなと思いきや、Chapterが進むにつれて、複雑な人間関係やシビアな過去が明らかになっていって、それらがアクセントになっている。

一方で、ストーリーが進行する(時間経過が発生する)と、大抵大筋とは関係のない島の人々と新しい会話をすることができてボリュームがあるんだけれど、そのために都度島中を歩いて話してまわるのは結構面倒だ。ゆったりとした内容のゲームにあわせて、プレイヤー側にも余裕があればそうした方が楽しめるんだけれど、それが義務になってしまうと辛い。気が向いたときにほどほどにお話するのが良さそうだ。
いわゆるファストトラベルも無くて、もしそれがあるとそのお話して回る行為も庭園に植える種を集めて回る行為も捗るんだけれど、それはそれでこの島の雰囲気が薄れそうなので悩ましいところだ。
また、ストーリーを進展させていくキーとなる庭園は、種のソートやフィルタリングが出来なくて大したゲーム性じゃないのに余計な時間をとられるのがイマイチ。

総じて、時間に余裕があるときにのんびりやるゲームだと思う。

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