結論から言うと、相当に簡略化されているがなんだかんだで楽しめそうな予感はするゲームである。
基地内のStrategyパートは簡略化の最たるところだろう。
資金内でできることは何でもやってよいというのではなく、あれやこれを専門の博士や部下が2,3個提示してきて選択するのみ。
時間を進めてUFO襲来というわけでもなく、提示されるミッションに赴くのみ。
あくまでdemoなので製品版ではこうではない可能性は多分にあるのだが、基地内の見た目の良さに反した幅の狭い行動しか取れず、肩透かしを食らう感じだ。
今の時代にX-COMの投げ出されっぷりをそのまま持ってきても、ライトユーザーが「何していいのかわかんねーよ」と声を上げるに違い無いので難しいところではある。製品版では徐々に旧来のようにプレイヤーに委ねる裁量が増えて欲しいものである。
キーバインドはまさにコンソールベタ移植といった感じで酷い。おまけにオプションからはカスタマイズもできない。
Enterで攻撃指定、アローキーでマップ移動、Q,Eで視点回転、Tabで隊員の選択、Vで高さ変更と使う側のことを全く考えていない。マウスで大体のことは事足りるのだが、誤ったポインティングやクリックを防いだり、ショートカットとして素早く操作したりするためにもキーバインドは重要なのに。
(追記)説明されないが、代替キーとしてSpaceとかにも割り当てられているらしい。
Tacticalパートでは、移動と攻撃はAP制でもなく、2回移動か1回移動+攻撃 or Skillになった。フルアクションを要するSkillもあったりして、なんだかD&D 3Eのようである。TOEEをやっている感触に近い。項目を選択したりするのはそれよりも大分劣るが。
パイプを伝って上に登ったり、飛び降りたり、窓から飛び込んで侵入したりと以前は出来なかったことを今風にやってのけてくれる。ドアを開けるだけで突入はしないようにすることが出来るようになったのは有り難い。
戦闘における攻撃の命中率は完全に表示されるパーセント依存のようで、遮蔽物で完全に隠れているように見えてもお構いなしに命中する可能性はある。壁抜きしているようにも見えるが、地上から屋上に向かって撃って、壁と屋上の床を二重に挟んだような射線からでも命中してしまう。
もちろん遮蔽物に攻撃を当て続けているとそれは壊れるのだが、以前のように弾の1発1発に対して遮蔽チェックは行われていない。
最後に個人的に残念なのは、輸送機で着陸してから部隊の展開までがカットシーンで済まされてしまうところだろうか。
X-COMシリーズでおなじみの(以降のUFOシリーズは知らないが)、輸送機から一歩足を踏み出した途端に撃ち抜かれる恐怖というのが無いのである。スモークを炊いて360度周囲の状況をチェックしながら、素早く散開するような緊張に欠けるのである。
こんな風に格好つけてノコノコと出て行ってたら、速攻で全滅ですよ。