Kentucky Route Zero

Outer Worldこと、Another Worldこと、Out of This Worldの延長線上にあるようなプリミティブなグラフィックのAdventure game。プリミティブではあるが緻密で美しい。

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骨董品を届けなくてはならないのだが、届け先が聞いたこともないような場所。どうやらそこへ行くにはRoute Zero(0号線)を通って行かないと駄目らしいのだが、そのThe Zeroはどこに?
ということで、現代的な舞台ではあるものの、あるのかないのかよく分からないストーリーは神秘的な作りになっている。

Act 1は比較的分かりやすいのだが、Act 2はやたら難解な展開である。収拾をつけるのが大変になってきたのかどうかは分からないが、現在のところプレイできるのはここまでで、未完である。Act 3は、現在制作中であるが大分滞っている。
そして、当初の予定ではAct 5まであるらしく、Season Passの価格も相応になっている。なので、今のところは定価で買うと高いと感じる内容だろう。

Aarklash: Legacy part 1

4人各4skillのStop and GoのParty BattleにフォーカスがおかれたRPG。
と、書き出そうと思ったのだが、Steamでのジャンル表記はAdventure / Strategyである。しかしGOG.comでの表記はRPG / Action / Tacticalとなっている。Tactical(戦術)とStrategy(戦略)の意味合い的には、このゲームはTacticalが適当だと思うのだが、とにかく一つも合致しているところがない。
そして実際、RPGと言って良いのかも分からないくらいRPG要素(人によって大きく認識が異なりそうだが)は薄い。今のところTacticalでありつつも、Hack and Slash寄りなのか、ほぼ直線的なレベルを走破していくだけで、戦闘が主体。カットシーンではキャラが一方的に喋るだけでストーリーが進行していく、”いわゆる”Action Adventure的である。
ジャンルに拘るのは良くないと思うのだが、何も知らない人にとりあえず一言で伝えるには便利なのである。

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フォーカスされている戦闘はなかなか面白い。
Dragon Age: Originsに感触は近いが、あれよりも面白いと感じる。今のところDAOにあったような、Spell Combinationは無いのだが、Tankが敵をキープして、RogueとMagic UserがDamage Dealとcrowd controlなどのAssistをして、HealerがHealingをするといった、MMOのHoly Trinityな要素が明確に出ている。playableなキャラクターは4人以上いるようなので、この型に嵌らない戦い方もできるのだろうけれど、ゲーム開始時にこのようなメンバー構成になっているあたり、このゲームにおける基本形なのだろう。
DAOでは、効いてるのか効いていないのかよく分からないtauntをするも、ポーションをがぶ飲みすることしか能の無い紙装甲のTankがaggroをキープできずに、攻撃しすぎたMageが敵を倒すまで逃げ回る、なんてのがしばしばあったのだが、こっちでは明確にTauntが効くあたりはやりやすく、MMO的だとも思う。

味方と敵、両方に効果があるspellがあり、位置取りの重要性は高い。例えばMageの自分の周囲をKnockdownさせるspellは味方にも効果があるので、Tankを巻き添えには出来ない。指定した方向に投射するhealing spellは敵にも影響を及ぼすので、団子状態になって戦っているTankはHealingを受けられない。敵キャラクターとの押し合い判定はあるので、boxingされないように気をつけなくてはならない。
またAoEの場合、効果範囲のサークルが示され、方向指定型のspellはcastingを始めたときにはまだ命中が確定しておらず、どちらも対応して回避することができる。当たり前のようだが、そうでないゲームは多い。
機会攻撃(Attack of Opportunity)と相性が良さそうなデザインなのだが、それがないのは惜しい。

インターフェイスは一応必要十分に備わっていて、例えば敵のspell castingにカーソルを合わせると詳細を教えてくれるし、全ての効果は色でDamageなのかSupportなのかといったspell typeも一見して分かるようになっている。
buff, debuffは、上下に向いた矢印のお陰で良いのか、悪いかは分かるのだが、buffとdebuffでまとめられてその数がアイコンとして表示されるのが、ちょっと分かり難い感じ。なぜ他と同様に色でtypeを示したアイコンにしなかったのだろうか。アイコンにカーソルを合わせると内約は出るのだが、手間がかかる。
表示位置も一律キャラクターの上なので、どうしても比較してしまうThe Temple of Elemental Evilのそれには一歩及ばない。

Gone Home

ある日旅行から帰ってきたら書き置きと共に家族が誰もいない。
何故?どうしてこの家はこんなにでかいんだ?と、疑問に思いながら自分の家であるにも関わらずしらみつぶしに痕跡を探す。

置かれている物やノート、メモなどから家族構成が分かってきて、お父さん、お母さんが何をしていて、妹がどんな感じの子なのか分かってくる。
そうすると、自分の操作している姉が主人公ではなく、妹が主人公なんじゃないかという不思議な感覚にとらわれてくる。そこら中にnarrativeなオブジェクトはあるのだが、とりわけ重要なことに関しては、常に妹が自分の視点で語るからだ。決して操作している姉は語らない。
17歳の思春期である妹ゆえに、これくらいの年頃の子はこんな感じだよなあと思わせるような内容なので、思春期を過ぎた大人がプレイすると共感を覚えやすいのだろうか。それこそ操作している姉も同じようなことを思っているのだろうか。

語りを見聞きして状況を知り、そうこうしているうちに、もしや?という疑問が沸いてくる。その疑問は遠くないうちに的中し、クライマックスへと静かに向かっていく。そして、Gone Homeってそういうことだったのね、と晴々しさと寂しさの入り交じったような余韻を抱きながら幕引きが行われるのである。

PC Game Postmortem 2013

今年は例年よりもあまり多くのゲームを遊べなかったと思う。
忙しかったということもあるし、World of Warcraftに手を出してしまったというのもあるが、何らかによって進行中のゲームを中断せざるをえない状況になると、それを再開したり新たに他のゲームに取りかかったりするには随分とエネルギーを要するようである。ということが今更ながらに判明した。

さて、大方の予想通りだと思いますが…

Game of the Year

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The Cat Lady

サイコホラーでありながら、「怖かった」「助かって良かった」といった生理的感情の域で終わらない、「生きる」ということを体現したAdventureである。このゲームが始まった時は、良くてSanitariumのような方向性、悪くて凡百なただのホラーなのだろうかと思っていたのだが、それらを易々と超えていき、全く予想していなかったところへ辿り着いてしまった。
Let’s Playとかを見ていると、エンディングで泣いてしまっている人が結構いるのだが(ホラーゲームなのにね)、話を訳して読むのではなく直に感じられるNative Speakerが心底羨ましい。

DVD, Desura, GOG.com, Steamと各Distributionで揃えてSoundtrack, Vocal Soundtrackに手を出した挙げ句(DVD版を買うとDesura, Steam, Soundtrackもついてくるのだが)、ゲーム中に出てくる時計の元になった時計(もちろん非公式)すら買ってしまうほどに嵌ってしまった。秒にあわせて尻尾を振るんですよ。

 

 

以下、プレイリスト。ジャンル分けするほどの量でもないと思う。
タイトルの右に * がついていたら、未クリア。クリアの概念が無いゲームもあったりしますが。

Ballpoint Universe *
外国人の作る強制スクロール型のSTGはどうしてこんなにつまらないのだろう?

Brutal Legend *
発売してすぐにXbox360でクリア済みだが、パッドでやるよりも快適。メタルは良い。アクションはちょっと惜しい。RTSはいらない感じ。

Cart Life *
大分デフォルメされたゲームデザインなのだが、現代アメリカの問題を風刺したような生々しさを感じられる。

Dear Esther
Adventureなのかそもそもゲームなのかという不思議なゲームなのだが、今年の個人的なAdventure Gameブームはここから始まったのでAdventure Gameなのだろう。

Divinity: Dragon Commander *
Turn-Based StrategyとRTSとDragon Actionとギャルゲー組み合わせたら面白いんじゃね?という実にお馬鹿なゲームなのだが、よくまとめて形になったよなあ。伸び代はまだまだあると思う。

Downfall
非常に荒々しく尖っている。
余談であるが、このゲームの白い方のヒロインは開発者Remigiusz Michalskiの奥さんである。選択によってはとんでもない目に遭うのだが、よく許可したよなあ。あるいは内緒にしているのだろうか。
さらに余談であるが、その奥さんがThe Cat LadyのChapter 3の詩”River”を書いている。

Dreamfall: The Longest Journey
序盤の鈍さにやきもきしつつも、なんだかんだで中盤盛り上がってきてどうなるのかな?と、気になってきたところで盛大にぶち壊していってしまった。大変遺憾である。

Eschalon Book 2
前作経験が無いとかなり難しい部類だと思うのだが、いわゆるやり込める要素は増している。

FTL: Faster Than Light
着目点は非常に面白いのだが、前半が重要すぎて後半に挽回不可能なのが厳しすぎると思う。もう少しなんとかすればさらに良くなるポテンシャルはあるはず。

Gemini Rue *
まだなんとも言えない段階。

Hotline Miami *
目が疲れすぎる。

Kingdoms of Amalur: Reckoning *
ビジュアルのコンセプトはリアルスティックではないcartoon風味が入った、つまるところのWorld of Warcraftのような感じなのだが、World of Warcraftに勝っているところは、通信による命中判定の適当さが無いとかその程度である。

Mark of the Ninja *
良くできているのだが、日本語訳が酷い。
そんな中でも、Assassinate時のswipe操作は全体的なゲームデザインコンセプトに則していないような感じがして、いらないんじゃないかと思う。

Max Payne 3 *
カットシーンの尺も頻度も多すぎる。RPG好きの私が何を、と思うかもしれないが、カットシーンで語られる話の内容が中身の無いどうでもよいことだから苦痛に感じるのである。しかもただのカットシーンではなく、終始Post Processによる特殊効果がゴッテゴテに盛られているので下品である。
Bullet Timeを発動して一網打尽にするところだろうという深刻な局面を、下品なカットシーンでノコノコと入り込んで取り返しのつかない状況に”させられた”ところで萎えて止めてしまった。

Minecraft
去年もやっていて、素晴らしいゲームだとは思うのだが、ゲーム内で知りうることの出来る手段が一切無いのが相変わらずどうかと思う。現実に即しているようで実はそうではなく、直感性に欠いているわけだが、それを外部情報に頼らずに一から十まで全部ゲーム内で試行錯誤するのは馬鹿らしく感じられる。

Neverwinter
有料ベータのままサービス終了するのかと思っていたのだが、まだ続いているようなのが驚きである。

Resonance
STM, LTMという独自のシステムを持て余している感はあるが、ストーリー、パズル共に良くできている。

Rocksmith 2014
個人的に相変わらず残念な収録曲だが、Iron Maidenが収録されて、さらにDLCでも出たことに賛辞を送りたい。
前作の問題点もほぼ改善されているのだが、その分ノートの種類が増えすぎて一見して分かりにくい形状が増えたのが残念。

Shadowrun Returns *
雰囲気たっぷりでCharacter Createも卓上を元に凝っているのだが、その他がシンプルすぎる故、自分がそのキャンペーンのシナリオに介入しているという感覚が希薄である。

The Sims 3 *
新しい拡張の島マップで始めると重すぎて定期的にカクカクしてまともに遊べていない。何年前のゲームなんだか。

Sim City (2013)
Socialというか、ユーザの都市が影響を与えあうという根幹は良いと思うのだが、それを実現するためか、単なる技術不足か、犠牲にしたものが多すぎる。おまけに、肝心のSocial機能の一部は高負荷過ぎて発売当初はオフにされていた。今はどうなのかは知らない。

Super Street Fighter IV Arcade Edition *
Trialsが使えない。目押しすべきタイミングで適切な指示が無いので、微妙にタイミングをずらしながら闇雲にひたすら目押しポイントを探らなくてはならない。そんな試行に労力を割きたくないわけで、そこから先の感覚をつかんで目押しを使ってコンボを繰り出すところに労力を割きたいのである。Trials限定で目押しできるフレームの間、キャラが光るとかやればいいのに。

They Bleed Pixels *
肉男系のあれ。ステレオタイプ過ぎる意見だが、いかにも外国人の好きそうなアクションのゲームデザインで食傷。原点となったゲームは何だろう…キャッスルバニア?ロックマンX?

Thirty Flights of Loving
おっさんが攻殻機動隊のイシカワに見えて困る。
展開が奇抜すぎてついて行けないよ…前作のGravity Boneの方が好きかなあ。

Tiny and Big: Grandpa’s Leftovers *
あれこれ自在に切断できるという試みは評価したいのだが、とにかく物理エンジンの挙動に頼っているので、そのさじ加減一つで予期しない出来事が起こりがち。最たるものは、謎の判定でうまく物体を積み重ねられなくて進めないとか、潰されていないように見えるのに微妙な破片で謎の圧死とか。

To the Moon
外見とは裏腹に気味の悪い話なのだが、それを意図したのか意図していないのかで評価が大きく変わる。

The Walking Dead
世間で絶賛されているほど面白かったかというと大分微妙なところなのだが、ドラマファンであるならばより楽しめるのだろう。多分。

X Rebirth *
これはまだAlpha buildで、本当にこの方向性に進んで面白くなるのかどうか、と判断しなくてはならない段階だろう。
X3:TCとX3:APである種の方向性を極めていると思うのだが、そうなると方向性が違えど相応のものが求められるわけで。どこぞの無名Indie Developerが出したとかなら、分からなくはないのだが。

X3: Albion Prelude *
X Rebirthの現実逃避でやり始めたのだが、こっちの方が綺麗で面白いじゃないか。plotはX3:TCよりも適当な感があるが、よりダイナミックなUniverseになっている。

X3: Terran Conflict
気がついたら100時間経っていたが、ようやく初心者じゃなくなってきたかな、というくらいスケールが大きい。ただし中身が濃いわけではない。何をするにしても自分次第である。

World of Warcraft
MMO全般に言えることだが、良き仲間に出会えるかどうかが楽しめるかどうかだろう。

Gemini Rue part.1

よしよし、刺客がこちらを追って梯子を登ってきたところを狙って…パンッ!ドサッ。…えっ?

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上の階の人物は主人公だけれど、Smooth Criminalじゃないよ。下の刺客は一見して普通の拳銃(背景に溶け込んで分かりにくいけれど)を水平に構えているようにしか見えないが、奴は新手のスタンド使いかWanted(見たことないけれど)のように弾道を曲げられるに違いない。

Resonanceのように随時切り替えて二人の主人公を操作出来るようになったあたりなので、ストーリーについてはまだ何とも言えない段階なのだが、こちらの主人公はとにかく渋い。聞き間違えていなければ、まだ三十代前半らしいのだが。

地球外惑星に定住できるくらいのテクノロジーを持つサイバーパンクな設定なのだが、妙に現代的な服装や建築様式などで、文化レベルがチグハグなのはお約束だろうかね。この主人公が渋いトレンチコートを着られなくなるからだろうか。昔のSFのモニタはブラウン管だったし。
サイバーパンクの定番であるアジア文化の進出もあり、”Bouryokudan”という用語が頻出する。しかし皆、凄く言いにくそうだ。

親切にも、ゲームオーバーになる可能性があるシチュエーションの直前でオートセーブが入るのだが、このとき”Autosaving…”と出るのが、興醒めで惜しい感じ。これから何かあるんだろうなというのが分かってしまう。
その点でResonanceは、Adventure Game Studioのリプレイ機能を利用した巻き戻しで、失敗した時には重要な局面の手前まで巻き戻されるので、上手いやり方だと言える。無駄な動きが多いと、巻き戻しが終わるのを待つのがだるいという欠点もあるのだが。