凄いゲームだった。
最初の5件、古い時刻順に5件まで表示という検索システムの都合上、きっと最後のムービーを掘り当てて再生する時がゲームの終わりだと思っていたのだが、違っていた。
褒め言葉として、このゲームをデザインしたやつは、性格が悪いに違いない。
大抵の場所は初見で死ぬようにデザインされている。グレインノイズの効いたモノクロの世界で、無情にも死にまくるのは鬱陶しくもなかなか雰囲気がある。
パズルは難しくもあるが、理不尽ではない。死にまくりながらあれこれ試行していると十分解けるようになっているし、思惑にひっかからずに死なずに解けるとデザイナーとの知恵比べに勝ったような気分になれる。
いい塩梅で良くできていたよなあと、感心してエンドクレジットを見ていたら、デザイナーもプログラマーもテスターも意外に人数が多かった。偶然の産物ではなくて、相当練りこんだ上で出来たのだろう。
で、クリアしてから初めて知ったが、このゲームのストーリーというか前書きは、妹を捜しにLimboに入った、ただそれだけらしい。
起動時に再生されるロゴムービーが40秒もある。しかもスキップ出来ない。
この時点でもうクソゲーの烙印を押してしまってもいいだろう。余りに長すぎるので、思わず何秒あるか計ってしまった。
そしてそれだけでやる気が失せてしまった。
通販で買った物を何でも燃やしまくる。原始的な楽しさがある。
物によって、燃やしたときの反応が違うので、次から次へと買っては火にくべて様々な反応を楽しむ。が、これだけだと直ぐに飽きる。
したがって、特定組み合わせによって生じるコンボが用意されていて、それを狙わないと進めないようになっている。ところが、その組み合わせがコンボ名の字面から類推する以外のヒントがなく、分かり難い。あんまり詰まっていると答えを教えてくれる手紙が届くのようなのだが。
コンボによって特殊な燃え方が見られるというわけではないのも残念。
ずっと暖炉の前にいるだけなのに妙に世界観が凝っていて、しょうもないムービーやウィットに富んだテキストが良い。持てる数以上に買おうとしたとき出る、I’m sorry, I got too excited. (すみません、はしゃぎすぎました)というボタンがプレイヤーの状態そのもので笑ってしまった。
今までホバリングでの噴射でダメージを与えるゲームというのはあったが、それが主ではなかったのでそれに特化しているのはありそうでなかった試みだと思う。
実際にプレイすると、噴射によるショットをメインウェポンにすると直ぐに弾切れして肝心な時に撃てなくて死ぬので、踏みつけによる攻撃が主で、やはり攻撃よりもホバリングによってコンボを持続させる手段になる感じだが。
踏みつけないと倒せない敵もいる一方で、踏みつけるとダメージを喰らう敵もいる。どの敵を踏みつけて大丈夫なのかそうでないのか。イマイチピンと来ない。トゲ付きは駄目だが、丸い形状の駄目なやつもいる。極端に赤い敵は駄目だが、踏みつけてよい敵も赤かったりする。赤の割合が多いか少ないかでしかない。その線引きはどこ?
大体の敵は一度痛い目見ると分かるのだが、やや理不尽感がある。そして次にそれを落下中に瞬時に判断するのはなかなか難しい。
骸骨が突然真っ赤になって、踏みつけられなくなることもあるが、忙しく落下している最中なのでその条件は未だによく分からない。
混乱させて理不尽感を与えているのは、最初から色んな種類の敵を出しすぎているのが原因だろう。お陰で最初から難易度も高い。
ステージを追う毎に種類を少しずつ増やしてプレイヤーを学習させつつ難易度を上げて行かなくてはならないのだが、このゲームでは最初から踏みつけでないと倒せない敵と踏みつけると駄目な敵が普通の敵と混じって出てくる。初めて遊ぶプレイヤーはまずよく分からん殺しの洗礼を浴びるだろう。
本来は最初は芋虫や蛙といった何の変哲もない弱い地上の敵、次に踏まないと倒せない亀、次に踏むと駄目なトゲゾー、壁を這う踏めない敵、次に浮遊している普通の敵、次に浮遊していて踏めない敵…といった具合に少しずつ足していくべきだろう。
このゲームでは、上に攻撃する手段をデフォルトで持たないので、頭上から襲来してくる浮遊している敵はそれだけで強いのだが、これも相当な頻度で最初から襲ってくる。
また、デンリョク?ジェムハイ?といった独自の用語も出てくるので、最初はやはり混乱する。未だにジェムハイになると何が良いのか分かっていない。