The Cat Ladyは、家族も友人も将来への希望も無い孤独な40歳の女性”Susan Ashworth”が主人公のHorror Adventureである。2012/12/01 リリース。
もしこのタイトルを日本のゲームが称していたとしたら、猫耳を生やした幼女または美少女が主人公だったに違いない。
一応、Publisher: Screen 7, Developer: Harvester Gamesとなっており厳密にはIndieではない気がするが、Harvester Games自体はIndieと称しているし、Desuraでも販売されているのでIndieと思っても問題はないと思う。
ジャンルのHorrorは猟奇的な類。
PEGIのようなレーティング機関は通していないようだがもちろん18歳未満非推奨で、その内訳はゴア・グロ・暴力が中心。ヌードや汚い言葉はほどほどに付いてくる程度。そもそもアート自体がそこまでリアリスティックではないので、過激すぎてAO(ESRB)と言うほどでもなく、M(ESRB)の範疇だと思う。
他にもflashing imageryと忠告されているが、細かく画像が切り替わったりするような程度で、(以前にも言ってるけれど)Indieにありがちなポケモンショック的に目が痛くなるような明滅というのはない。どちらかというとショッキングな映像表現というニュアンスなのではないかという気がする。
話の内容もかなりダークで大人向けになっている。
AdventureはPoint and Clickかと思いきやもっとシンプルで、左右に移動して名前が表示されるオブジェクトに対してインタラクトしたりアイテムを使ったりする。あとは会話やモノローグなどが中心。英語は偶に俗な表現が出てくるが難しくはない。
冒頭のあらすじはこうである。
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自殺を図ったSusanは、夢か幻覚か平原から森へと彷徨う。森で見つけた小屋で謎の老婆と出会う。そして老婆からあることをしてくれたらSusanとして再び生まれ変わらせてやろうと取引を持ちかけられる。
あることとは、今一度蘇りSusanの命を狙う5人のParasites(いわゆるサイコパス)を殺し生き延びること。さらにこの取引の支援としてImmortality(不死)を授ける。
Susanは自殺をしたかったのでそんな取引は望んでいないのだが、老婆曰くParasitesを始末しない限り他の罪無き人が餌食になる、このまま死んだとしても苦しみから逃れることは出来ない、故にこの取引に選択の余地はないと。
不本意ながらその恐喝的な取引に応じて(応じずに進めることも出来るが)、Susanは死の淵から戻ってくることになる。
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私が文章にして起こすと割とありきたりに見えるかもしれないが、このイントロがとにかく刺激的なのだ。
ビジュアルは全体を通してトーンダウンされた色調で、ライティングやキーカラー(血の色とか)以外を極力省いたような方向性。
全く逆のクリーンなイメージのあるMirror’s Edgeなんかもこうした特徴を持っているが、同様にこの統一的な色調は独特な雰囲気作りに一役も二役も買っている。
The Cat Ladyは直接的な続編ではないと思うが、前作のDownfallと見比べるとこの有効性がよく分かる。
全くの余談であるが、The Cat Ladyのdemoをやった後、上記のDownfallの紹介ページを見て気がついたことがある。demoはゲームの最初をプレイするのではなく、恐らく本編中の途中の一部を切り取ったもののようだが、果たしてどうなるのだろうか(本編はまだ途中)。そしてDownfallもやってみたくなったが、公式の直販が正常に動作していない上、他にどこで扱っているのかも分からんのであった。
(追記)Downfallは、ResonanceやGemini Rueでお馴染みのWadjet Eye Gamesから買える。