狩られる側が狩る側に転じた時の高揚感がなんだか背徳的だ。
アドベンチャーゲームでは一般的にそうであるが、ストーリーや演出(要するにネタバレ)を知らずにプレイして経験した方が確実に面白いので、その辺は避けるようにする。part.1で書いたような、知っておくとスムーズにゲームを始められるような内容程度に留めておくべきだろう。
既に買ってプレイしたいという意志が比較的強いのであれば、demoもやるべきではない。
このゲームのdemoの内容は本編の一部を切り取ったものであるが、そこの時点で登場してくる人物との関係というのは結構大切な情報になっているからである。demoではストーリーに関しても、なんだかよく分からないうちに始まってよく分からないうちに終わるという感じなので、全体的な雰囲気を感じ取る以外にはやや適さない。
アートは特に下手というわけではないが、アニメーションすると暈けたように見えたりとクオリティにはムラがある。
Voice Actingにもかなりムラがあって、主人公のSusanの喋りは素晴らしい。とても40歳には聞こえない20代後半から30代くらいの若い声(結構好きな声質)だが巧みである。しかし、棒読み気味でマイクを通して録っているのが分かるような、籠もっていてノイズが入っているNPCもいる。
エフェクトで加工した異質な声も結構あるのだが、エフェクトのかけ具合にムラがあるのか意図してやっているのかは分からないが、時折調子の違う声色になったりしている。これにはドキッとしてしまう。
鳴り止まない雨音・秒針の音、蠢くような足音、定番のジャーンという効果音。ホラーの基本のアンビエントから美しいピアノソロ、メタルといったシーンにあった幅広い音楽。
外観からはラフな印象を受けるしクオリティにムラはあれど、全体の構築は丁寧に作ってあるんじゃないかと思う。
Social Networkについて。
ゲームデザインがPoint and Clickよりもシンプルな分、クリック可能な場所を探す面倒なpixel-huntingが無いのはよい。
謎解きも全体的に難易度も高くなく、「こんなん分かるか!」というような理不尽なものは一切無い。物を投げたらミラクルが起きて道が通れるようになったとかいうようなのではなく、ロジカルで思わずなるほどと唸ってしまうような解法だったりする。
そもそも、ゴール→何をするべきか→何が必要か→…といった具合に逆算していけるように出来ているため、漠然としていないのもよい。
一方でインベントリのアイテムを組み合わせて何かすると言う複雑なことは、UIやマウスを使わない操作方法の制約上出来ない。一応、一端画面上のインタラクト可能な場所を使ってアイテムを組み合わせることは出来る場合はある。それっぽいものが出てきたら何か組み合わせないといけないんだなということだなと分かりやすい。
あと、会話の比重は大きい。
選択肢次第でシナリオが分岐するんじゃないかというような展開もしばしば発生する。今のところは局所的に分岐してもすぐに本筋に戻っており、なんだかんだで分岐していなさそうではある。しかしながら、その会話の積み重ねが後に大局的な変化を生み出すのではないかと感じさせる。
ただ作業的に上から選択肢を全部選んでいけばよいというわけではないのだ。