ひとまずクリアしてみたけれど、The Cat Lady (TCL)のように強いメッセージ性のあるストーリーというわけでもなく、Downfallのように強い狂気があるわけでもなく、その中庸という感じかなあ。とはいえ、結構バッド寄りの終わり方で、色々と各所の結末が変わりそうな判断を求められるところがいくつかあったので、その辺をもう少し網羅してみないと何とも言えないところ。
過去作でThe Queen of Maggots (QoM)の別名がLorelaiだということが判明しているので、今作の主人公であるLorelaiとQoMについての関係性を掘り下げる話がメインストーリーとなるのかなと事前段階では予想していたのだが、そうでもなかった。これまた、選択によってはよりその核心に踏み込むこともあるのかもしれないが、相変わらずはぐらかされてよく分からないという感じ。
ストーリーの中核は、Lorelaiの最悪な結末を迎えた人生とその復讐劇で、復讐が完遂した後も、(今のところ)全く晴れないのがTCLと対称的で、評価が分かれそうなところだ。
TCLもそうだったけれど、死んでからが面白いゲームではあるのだが、TCLのように早々に死ぬわけではないので、そこまではちょっと退屈だった。
これまでずっと使われてきた古いエンジンであるAdventure Game StudioからUnityへと移行したので、映像面は3Dレンダリングやそのカメラワーク、ポストエフェクトなどが意欲的に盛りこまれており、グロテスクでありながらもより美しくなった。
解像度もネイティブにスケーリングするので、綺麗にレンダリングされる反面、今までのような解像度の低さによる情報量の欠落が生じないので、チープな元のアセットが露呈して気になるところもある。
エンジンが変更されて、恐らく大部分を新規に作り直したに違いないが、その影響か過去作よりもバグやglitchは多い(パッチ1.0.2時点)。
特に、1.0.0ではセーブデータがオートセーブか、手動の上書きセーブしかないので、致命的なバグが発生すると辛い状態だったのだが、1.0.2から従来のようなスロット方式のセーブができるようになったので、こまめにセーブしておくべきだろう。なお、この変更の本来の意図は、ロードによるやり直しが出来ないようなゲームデザインにしていたのだが、やり直しをしたいというコミュニティのフィードバックを受けての変更となっている。
なかでも、複数の経路があるレベルで、特定の地点を通過したり特定のアクションすることを期待しているような箇所はテスト漏れが多くなり、バグやglitchが多く残っているような印象である。具体的には、介護施設と工場。
私の場合は、特にChapter 6であちこちglitchで表示の整合性がおかしくなり、行けそうな場所に行けなくなったり、何もインタラクション出来るオブジェクトが無くなりどこに行っても進行しなくなるような事態になった。完全にスタックしたのかと思い何度か再起動しなおしていたら(この行為はセーブされたメモリー以外が正常化されることを期待している)、整合性がおかしいながらもイベントが発生して進めることが出来るようになった。
Harvester Gamesファンなら待望の、例のおばさんがカメオで出てくるのは素直に嬉しい。リメイク版のDownfallでは生死が大分怪しかったが、大丈夫だったか、TCLとDownfallの間にあった出来事だろうか。もちろん、全体を通じてmultiverseな世界観なので、よく似た全く別の世界の話という可能性もある。
bg3発表されましたけどlarianがなんかビデオゲームに最適化すると言ってかなり不安なんですが…突然すいません
Lorelaiに関係は無い気はしますが…
ビデオゲーム向けに寄せるといっても全然駄目だった4th Editionみたいにならなければ大丈夫じゃないかと思いますし、逆に弄らないとToEEみたいに玄人向けでも地味になりそうです。
個人的には、LarianのテイストがBGシリーズとは結構違っているけれど、それがBG3でどれくらい違和感無くファンを納得させられるのかが気になりますね。Teaserの時点で、Mind Flayerなんて2で散々倒しまくってるのに今更かよ!?と思いましたし。
うーん、バランスが難しいですねぇ。マインドフレイヤーじゃなくて、普通にオークとかゴブリンとかでも良かった気が…