ものすごく久しぶりの旬でハイエンドな一人称ゲームなので没入感が凄い。
DLSSは、サブピクセルのないイメージからDeep Learningに推論させてSuper Sampleする技術だ。
単純にイメージに適用するとアンチエイリアスが期待できるが、ゲーム的な使い方としてレンダリング解像度を下げた状態でレンダリングしてパフォーマンスを稼ぎつつ、実レンダリング解像度にアップスケーリングするときにDLSSを適用することで通常のアップサンプルフィルタよりも高いクオリティを期待できる。Cyberpunk 2077でもそのように使用されているようだ。
実際のところ、Cyberpunk 2077のDLSSは一見してアップスケーリングしているのか分からないようなクオリティであるが、解像度の低い不完全な情報からの推論である以上完璧にはならないし、状況によっては人間の目を誤魔化せないエラー(正解との差)が生じることもある。
これが一番分かりやすいのは、一番最初のキャラクター作成画面だろう。このゲーム特有の画面であり、あまり訓練されていない苦手なシチュエーションだと思う。
プレイしていると動画越しに画面を見ているような感じがして、肌のテクスチャ解像度が不足しているのかと思ったが、さすがに最新のゲームだしそんなことはないだろうと困惑しつつDLSSを切った。
特にヒゲの剃り跡や髪の刈り上げの部分が分かりやすいが、明らかに解像度の不足した結果になっているのが見て取れる。
原寸大比較:
では、実際のインゲームではどうかというと、エラーが気になるシチュエーションもあれば、それほど気にならない十分なシチュエーションもある。
エラーが気になる状況は主にオブジェクトやカメラに動きがあるシーンだ。推論に前フレームの情報も使用されているのだと思うが、画面に動きがあるとそれが欠落しやすいので、Deep Leraningによって生成した画像特有の独特な揺らぎのようなノイズが生じやすい。また、反射が強く周囲で細かい変化が多いシチュエーションも苦手なように見える。
特に、ゲーマーが嫌いそうなMotion BlurやChromatic Aberrationなど画面をはっきり見せないようにする、つまり粗を誤魔化せる類のエフェクトを切っているとDLSSのエラーは露見しやすい。
次の画面は、左右に動きながら撮影したものだ。
原寸大比較:
それでも、DLSSは圧倒的にパフォーマンスに恩恵をもたらすので、エラーを許容できる人にとっては有効だろう。