はじめに、テレビドラマの方は見たこともないしそもそも全く知らないし、三度の飯よりゾンビが好きというわけではない、という立場であることをご了承下さい。
基本的にカジュアルなアドベンチャーゲームで、これでもかと謎解きをさせたりするわけではなく、主人公であるLeeの意志決定とちょっとした捜索、QTEが主だろう。個人的にはもう少しハードコアな方が好みではあるが、これはこれでThe Walking Deadというテレビドラマをディレクションしているという感覚があるような気がする。それは開発側の思惑通りなのだろう。
ゲーム中の選択肢の多くはAlpha Protocolと同じで(そっちの方がマイナーだろう)、制限時間中に返答を選ぶ。制限時間中に選択しない、または選択出来なかった場合は、Leeも何もしなかった扱いとなる。そして、しばしば甲乙つけがたい選択を迫られる。
Episode 1
個人的にゾンビものってのは手垢が付きすぎてギャグっぽく見えて余り好きではないのだが…という印象からの導入。
大変だ!と思ったら定番のノロノロしたやつがいると、ありきたりすぎて吹いてしまう。
どこから沸いてきたんだよというゾンビなんかもそうだが、全体的に都合の良さを感じる。見晴らし良いのに何で目の前にゾンビが…しかも脚挟まれてるとかそれまでに何やってたんだよとか、なし崩しに入った場所が兄弟の勤めていた薬局だとか、拳銃の腕が上手すぎて誤射しそうな局面でも毎回ヘッドショットだとか。あとよく転ぶ。
とりあえずやりたいシチュエーションを幾つか配置して強引に繋いだような印象を受ける。
あと、銃のメカニックがアニメーションしないので、弾切れがぱっと見で分からないのもなんとかならなかったのだろうか。弾を撃ち尽くしたのならスライドが後退したままのはずだが、そうはならない。一応弾切れたとは言うのだが。
Episode 2
Episode 1終了時では大分イマイチな印象だったのだが、Episode 2ではずっと面白くなっている。
シチュエーションの強引な繋ぎは解消されていて、強引に見えるようなものも実は…といった具合に伏線などで説明がなされる。シチュエーションは小さなものから大局的なものまであり、Episode中の起承転結の中で淀みなく展開されてく。
内容自体は、まあ割とよくあるネタのオンパレードで、これはあれだよねという予想が尽く当たるのだが、それでも重い話なので聞き飽きたということにもならず楽しめた。
問題は何をやればよいのか分からない状況が多すぎるということだろうか。
これとか顕著だが、<と>のマークは出ているが、これまでに危機的な状況で同様の指示は無く、何をやればよいのか分からない。試しに左キーや右キーを連打や押し続けてみるも駄目、マウスクリックを連打して見るもだめ。
適当に左右に連打しながらマウスクリックも連打すると何かに反応するらしく、それでも何度かゲームオーバーになりながら打開という、結局正しいやり方が分からないまま過ぎ去ってしまった。
各Episode終了時には、重要な局面でどのような行動を取ったのか、恐らく全プレイヤーの選択の統計が示される。
通常はそのときのシーンを思い返しながら、自分がマジョリティかマイノリティか考え直すのが面白いのだが、何が出来るのか分からないケースと重要な局面が重なると厄介である。
例えばEpisode 2の1番目は84%は「痛い選択」をしていて(2013年11月17日現在)、私も痛いことをやったのだが、この統計を見て初めて「痛くない選択」ができるということを知ったのである。
それが出来たのならわざわざ痛いことなんてやってないし、この割合の高さからしても、ゲームの下手なプレゼンテーションの所為でもう一つの選択があるということが分からなかった私と同じようなプレイヤーは多そうであるという予想がつく。
こうなるとこの統計はプレイヤーが悩み抜いた末の選択の統計ではなく、テストプレイ不足を示す統計になってしまうのである。