Day 3
よーし、今日から本当のCart Lifeの始まりだ。
うおお!
うおおお!!
うおおおお!!!
手間取りすぎて客が諦めて帰って行ってしまう。誰にも売れていないのに、おなかがすいてもう動けないよ。
今何時だろう…え、もう6時!?Lauraの迎えは4時じゃないか。Academyは当然誰もいないよなあ。家に帰ってみよう。
また妹ちゃんに激怒されると思っていたのだが、神妙な面持ちで伝えられる。連絡が来たんだけれど今日の昼の聴聞会行ってないよね?月曜に延期だって…
そういえば、最初にそんなことも言っていたよなあ。
……ハッ。なんだただの夢か。
よーし、今日から本当のCart Lifeの始まりだ。
基本的な路上販売の方法について説明しよう。
1. 話しかけられる
普通の会話の時と同じような流れになる。適当に雑談して名前を聞いてみたり、フレンドリーに接してみたりすることもできる。冷やかしもいたりするが、怒ってはいけない。
2. 注文を聞いて、4択から間違えないように正しい品を選び、商品の提供を開始する。
3.1. その場で調理する必要があるもの
アローキーを使った、調理行程から提供までの流れを摸したQTEが幾つか始まる。失敗しようがないものが多いが、一定量で止める必要があるものや、正しい物を選択しなくてはならないものでは失敗する可能性がある。失敗すると最初から。
特にコーヒーの場合、最後にお湯やミルクなどをコーヒーの種類によって適切に混ぜるのだが、そのシーンで表示されている一覧は文字が小さすぎる上にコントラストが淡いので解読している暇はない。売値設定画面の名前の下(前回記事参照)にも書いているので、これを覚えておかなくてはならない。
3.2. 調理済みや既製品を出す場合
売り口上を摸したような一文のタイピングで商品を提供する。例によって文字が読みにくいし、英語のタイピングになれていないと難しいかもしれない。これも失敗するとやり直し。
4. 商品を相手に渡せたら会計を行う
どこをどのように操作すれば良いのか分からないので、一番詰まりやすいと思う。
始まったら画面上部にある、レジの棚の鍵をクリックすると棚がガチャーンと開いて、下のテーブルに代金が支払われる。この代金は一枚一枚クリックして全部回収する。
回収したらお釣りを用意する。左右に支払われた代金と請求額が表示されているので、棚から必要分のお釣りをクリックして出す。過不足無くお釣りを出し終えたら、棚の蓋をクリックして閉じると完了である。
さて問題は、このゲームの舞台は日本ではなくアメリカなので、ドルとセントでやりとりが行われるというところだ。多くの日本人には見慣れない通貨を扱う。
アメリカに行って現金で買い物をした方なら身に覚えがあるかもしれないが、セント硬貨はそれが何セントなのか分からなさすぎる。
ドル紙幣は数字が書いてあるためすぐに判別がつくのだが、セント硬貨には額が数字で刻まれていないし、日本の5円や50円のように特定硬貨に穴が開けられてるわけでもない。
柄は州や年代によってコロコロ変わったりする上に片面は著名人の横顔になっていて類似しているのであまりあてにはならず、基本的に大きさや色で判断するしかない。
大きさは大きくなるほど額は高い傾向にあるのだが、10セント硬貨は5セント硬貨よりもかなり小さい。
色は1セントだけが銅色で、残りは全部銀色である。よく見ると小さく英語で幾らなのか刻まれているのだが、これがまた one cent, five cents, one dime, quarter dollar と単位が統一されていない。
このゲームのレジ棚では左上から以下のような並びになっている。
- よく分からんカード(お守り?), $20, $10, $5, $1
- 空き, $0.25, $0.10, $0.05, $0.01
レジ棚の中では硬貨がちゃんと整理されているのを感謝しなくてはならない。お釣りとしてごちゃ混ぜで渡されると、ぱっと見で幾らなのか判断することは難しい。
そして $20, $0.25 が慣れ親しんだ日本円とは勝手が異なるため、お釣りに必要な紙幣と硬貨の枚数は直感的には沸きにくい。
アメリカで$100紙幣を出す客は普通いないので(受け取り拒否される場合もある)、このゲームでも$20を釣りとして出す機会は滅多にないはずだろう。問題はやはりセント硬貨の方だ。
例えば、請求額 $1.18 に対して $2 で支払われて $0.82 の釣りを要求された場合、用意する硬貨は $0.25 x 3個 + $0.05 x 1個 + $0.01 x 2個 になる。一方、日本円では ¥50 x 1個 + ¥10 x 3個 + ¥1 x 2個 となる。慣れ親しんだ日本円のように、特に考えず直感的に枚数を導き出す感覚を得るには慣れが必要だろう。
また、額が $1.25 の場合だと、セント硬貨では単純に $0.25 x 3個 で済む。これは ¥50 x 1個 + ¥10 x 2個 + ¥5 x 1個 となる日本円よりもずっと簡潔だ。
前回、価格設定を $0.25 刻みにした理由はまとめると以下のようになる。
- 慣れないアメリカの通貨だが、25セント硬貨とドル紙幣のみで手早くお釣りを出せる
- 釣り銭がでないようにきっちり渡された場合でも回収する手間が早い
無事に会計が終わるとめでたく取引成立だ。苦労して売った感動がじんわりとやってくる。
常に経過時間が表示されているように、この一連の流れはとにかくスピード勝負である。提供するまでの時間が早かったりすると、チップを弾んでくれる場合もあるが、逆に時間がかかりすぎると諦めて帰って行く。恐らく積み重ねてきた評判などでもチップの額は左右されるのだろう。
そうこうしているうちに正午だ。裁判所へ。判事のおじいさんとSethの二人とお話。
娘に大してどう接しているか、どうありたいかという話題が焦点になる。触れあっていく時間はちゃんと確保できるかどうかという話にもなるが、稼いでいくための時間との天秤になるため、そこから仕事の話にもなっていく。DowntownのそこでCoffee売ってるんですと言うと、なんだか好感触だった気がする。妹ちゃんは当初、馬鹿じゃないの!みたいな扱いをしていたのに。
次回は月曜日の昼に、アパートに住むために必要なお金とお仕事について話しましょうということでおしまい。
終わった後にSethが、週末Lauraが自分となんかのカンファレンスに行くから、そのときに話でもどう?と誘ってきたが、Melはそれとなく断っていたような気がする。ずっと気になっているがSethは何者だろう?親しくMelに協力的なあたり元旦那ではないのだろう。父(Lauraにとっては祖父)か親戚だろうか。
仕事を再開して、Lauraを迎えに行って帰宅。
初日の稼ぎは売り上げが$6.25でチップが$3.5、合計$9.75。アメリカと日本とでは著しく物価が異なるわけではないのでつい日本円に換算して考えてしまうが、慣れていないとはいえこれでやっていける気はしない。特に日本ではチップの習慣がないので、ずっと割高でないと成り立たないだろう。
薄利のメインメニューで客を呼び込んで、利率の良いサイドメニューも注文して貰って稼ぐ、とかいうよくあるやり方なんかも後々考えていかなくてはならないのかもしれない。