Undertale #2 Unexpected Pacifist


そういうわけで、面倒くさいのでひたすら逃げて一切敵を倒さないで進むとどうなるか。
予想通り、Lv1の状態で進むため回避不可能な敵との戦闘難易度は著しく上昇する。

敵の攻撃は、シューティングかアクションライクに一定時間避けるデザインなので、プレイヤーの技量次第でノーダメージでやりすごせるが、慣れてパターンを知らないと避けることが難しい攻撃も多い。いわゆる初見殺し。私の場合、ずっとシューティングゲームをやって育ったので、詰まるようなことはなかったが。
普通はExpを稼いでLvを上げてHPを増やしておくと楽なのだろう。最も、これが意味することは終盤で明らかになるが、クエストなどを達成してExpを獲得するという、敵を殺してそれ得る以外の手段は用意されていないので、コマンド方式の戦闘が面倒くさいからといってひたすら逃げるのはやや大変である。

回避が不可能な敵との戦闘はどうやって攻撃せずして解決するかというと、殆どは敵毎に用意されている非戦闘行為をデザイナーが意図したとおりに試行すればよいか、何でもいいので非戦闘を一定回数試行して敵の攻撃をやり過ごすかになる。
ダイアログメッセージや台詞から、なんとなく解法が解る場合もあるが、基本的には時にはゲームオーバーになりながらの総当たりである。

そうこうして、面倒だからということで避けていた戦闘は、そのまま結実するのだが、初回プレイでは、重要な分岐が固定されているのであまり意義はなく、難易度が上がるだけである。しかし、条件を満たした状態で一度クリアしてしまえば、最初からやり直さなくても分岐させることができる。
ただの面倒くさがり屋は、意図せずして平和主義者となったのである。

ストーリーは良いとは思うのだが、なんだかどうでもいい茶番が最初から最後までずっと続くだけだった印象が強い。きっとRPGはレベリングと戦闘、悪玉を倒すという固定観念のある人ほど衝撃を受けるのだろう。
偶に道中で仄めかすコンテキストや伏線は出ては来るのだが、核心は殆ど全部が最後になってぶちまけられる。それも、narrativeに語るのではなくて、露骨に全部ダイアログで説明されるという…あっはい。
BGMが素晴らしいのでついつい流されそうではあるが、世間の評判から期待しすぎたのか、プロットを振り返ってみると肩すかしを食らったような気分になる。

あとは、メタ演出が多分にある。Motherリスペクトでよく考えられていると思うが、好みが分かれるんじゃないかなと思う。
Steamでこのゲームをやっていると、Steam Cloudに対応しているかのように見えるのだが、このゲームは何一つとして同期していない。偶々、デスクトップとラップトップでセーブデータを共有しようとしたところ同期されていなかったので、これに気がついてセーブデータを漁る羽目になった。システムに関わるセーブデータの一部は平文なので、察しのいい人は感づくだろう。
コンピュータやプログラム、PCゲームに詳しくない人ほど、Undertaleのメタ演出は意外性に富んでいて面白く感じられるんじゃないかと思う。

そういうメタな側面も強いためかどうかは知らないがファンコミュニティが活発で、そこにはちょっと深読みしすぎて憶測混じってないかというような考察まで溢れているので、そういうのを読み漁って掘り下げていくのが好きな人にとってはうってつけだろう。

ところで、私がよく使うキャラクター名の一つとして’Rise’があり、今回もそれにしたところ、キャラクターネームと動詞のダブルミーニングがかかったような文章になるようなことが結構あった。なかなか良いなと思う箇所もあれば、動詞で使っているんじゃないかと混乱する箇所もあったので、一長一短かなというところ。

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