Saints Row 4

どうみてもPrototypeです。

周知の通り、4は3のDLCとして販売する予定だったものを、規模を大きくして4としたので、基本的なデザインは3と変わりない。超人的なパワーとそれを説明づけるための適当なストーリーが付与された程度だ。

SaintsRowIV-Boss.jpg

要するに、仮想世界だからこういうことが出来るわけなのだが、当初の大統領となった設定は何一つ生かせていない。
サイバースペースな表現に力を割いたのか、スーパーパワーの所為かは分からないが、昼夜の概念が無くなって陰鬱な夜間のみになってしまった。サイバースペース的な揺らぎやスクリーンエフェクトが随時入る所為で、ねむたいというかすっきりしないビジュアルである。

ユーザーが望んでいたか望んでいなかったかは別として、スーパーパワーを得たことで滅茶苦茶な限りを尽くせるのは良いのだが、既存のゲームデザインとの不整合性が目立つ。
車両の存在意義が無くなって、それと共に車載ラジオも意味が無くなり、車載ではなくタダのミュージックプレイヤーと化している。スーパーパワーで暴れられるとミッションが破綻してしまうため、多くのミッションは適当な理由を付けてスーパーパワーが切られてしまう。意味ないじゃんそれ。

THQのごたごたで政治的な事情があったにせよ、やっぱりDLCで販売した方が良かったのでは無かろうか。青い空のSteelportでドライブをしていた日々が恋しい。

SaintsRowIV-Exterior.jpg

Gone Home

ある日旅行から帰ってきたら書き置きと共に家族が誰もいない。
何故?どうしてこの家はこんなにでかいんだ?と、疑問に思いながら自分の家であるにも関わらずしらみつぶしに痕跡を探す。

置かれている物やノート、メモなどから家族構成が分かってきて、お父さん、お母さんが何をしていて、妹がどんな感じの子なのか分かってくる。
そうすると、自分の操作している姉が主人公ではなく、妹が主人公なんじゃないかという不思議な感覚にとらわれてくる。そこら中にnarrativeなオブジェクトはあるのだが、とりわけ重要なことに関しては、常に妹が自分の視点で語るからだ。決して操作している姉は語らない。
17歳の思春期である妹ゆえに、これくらいの年頃の子はこんな感じだよなあと思わせるような内容なので、思春期を過ぎた大人がプレイすると共感を覚えやすいのだろうか。それこそ操作している姉も同じようなことを思っているのだろうか。

語りを見聞きして状況を知り、そうこうしているうちに、もしや?という疑問が沸いてくる。その疑問は遠くないうちに的中し、クライマックスへと静かに向かっていく。そして、Gone Homeってそういうことだったのね、と晴々しさと寂しさの入り交じったような余韻を抱きながら幕引きが行われるのである。