Dreamfall: The Longest Journey part.3

The Longest Journeyと名乗るにはちょっとどうなの。
ぶっちゃけThe Longest Journeyの世界観を使う必要がない。ZoeだけにフォーカスすればArcadiaもAprilも全く必要なく話を進められるように出来ている。”Find her. Save har.”なんて言わせる必要はなかったのだ。

Rezaを追っているうちはまだまともな進行ではあったが、そこから後になると起承転結とか序破急なんて知ったことかという、グダグダで一体何がしたかったのかよく分からない散漫的なストーリーテリングになっている。

Arcadiaに行ったはいいが、何の進展もなく帰るとかさあ。それ必要だったの?
Aprilの方も、Rebelsに進展があるようで実は全くないという。ウロウロするだけで他の主人公にチェンジ。ただのファンサービス。
Kian Avelaneは使命を負っているので、そのことについては話が進むが、唐突に掌を返したかと思えばこれまたぷっつりと途絶える。”Avelane”ってあの”Avelane”なのに、何の説明も無いの?

二世界と三者、それからキーパーソンのようでそうでないのかよく分からない大勢の人物達も入り乱れてグチャグチャに舞台を散らかしまくったあとは、まとめきれずに全てが投げっぱなしのまま終わる。
せめてDreamfallはスピンオフとしてZoeのみの話に絞って、AprilとKianの話はThe Longest Journey 2として出すべきだったのではないかね。

実はというほどでもないが、そもそもこのゲームを今プレイしたのはDreamfall Chapters: The Longest JourneyにどれくらいPledgeするかを判断するためだったのだが…やらずに適当につっこんだ方がマシだったのかもしれない。
Dreamfall ChaptersはDreamfallの後始末をするための存在だと思うので、ちゃんと尻拭いをして欲しいという思いは一応あるのだが。

Dreamfall: The Longest Journey part.2

地球の反対側まで飛んでいって、命を危険に晒してまで友人の消息を追うとか、相当な行動力なんじゃないかと思う。素晴らしいことではあるしアドベンチャー的ではあるが、現実的に考えるとなかなか不自然ではある。
地球の反対側とはそう、勘違い日本だ。未来の世界Starkのしかも北海道でこんな木造住宅は流石にねえだろ。「平和」にルビふってあるのが可愛らしい。

Dreamfall-Japan.jpg

前作”The Longest Journeyの”主人公April Ryanは等身大のあまり脚色されていなさそうな感じだったのだが、Dreamfallの第一の主人公Zoe Castilloはそういう感じでなんだかヒロイックに扱われているような印象を受ける。前作のAprilと同じような指向のキャラクターにしても駄目なので、そういう感じの方向性にしたのだろうか。

Dreamfallでは複数の主人公に切り替わりながら、複数の視点でプレゼンテーションされていくようになっている。
Dreamfallでの第二の主人公である我らがAprilは10年経っているので色々とあった様子。ArcadiaがStarkと同じ時間の流れだとすると、年齢は実に28歳!
The Longest Journeyでは可愛らしいVoice Actingで好きだったのだが、歳食ったからなのかなんだかちょっと声が違うということでVoice ActressのSarah Hamiltonについて調べてみたところ、2002年に多発性硬化症、2004年に癌という、大丈夫なのか?とかなり心配に。現在はどうなのか詳しくは分からず、どうも術後経過観察中(医学英語はよく分からん)らしいが、2006年発売のDreamfallの収録時はかなり大変な時期だったのではないかと思う。
続編のDreamfall ChaptersでもAprilのVoice Actressは彼女に決定ということで、喜ばしくはあるが無理せず大事にして頂きたいと切に願う次第である。

Dreamfall-April.jpg

さて、DreamfallではPoint and ClickからThird Person Viewのアドベンチャーになった。
恐らくコンソールでのリリースも意識してのことだろうが、これがまた慣れていないというかやってはいけないデザインがふんだんに盛り込まれていてゲームプレイをつまらなくしている。
カメラは愚直にキャラに連動して動くし、障害物はうまく回避してくれないのでガクガクだ。梯子を登るだけでも、それ必要か?というようなZ軸の回転がグリグリと入るため酔いそうになる。
ステルスや戦闘も今回から追加されたが、どちらもお粗末すぎてやる意味がない。ステルスは大抵見つかると敵が近寄って来て逃げられずに殴られて即死になってしまうので、もう面倒だから見つかった瞬間リロードしてくれと思ってしまう。
コンソールの所為でJournal機能も劣化していて表示領域も狭く、遡って読める範囲も限定されている。

全体的に無駄な移動を要する進行も増えていて、

Aに会うにはBに聞け→Bのお使いでえっちらおっちら街の隅々を数回往復する→Bは実はAのことを知らんからCに聞けという→Cのお使いでえっちらおっちら往復する→やっとAの居場所がわかる

なんてのもあったり。明らかにCの人物はいらんだろうし、お使いで手に入れるべきアイテムも街の反対側に配置とかいうのは止めるべきだろ。
前作なら例えこんな酷い進行があったとしても、ロケーションを一気に移動したり早送りしたり出来たんだがね。

Dreamfall: The Longest Journey part.1

あれから10年…

初っぱなから何から何まで前作The Longest Journeyをやっていることを前提としているので、The Longest Journeyをやっていない人がやると、何だかよく分からずにつまらないものになるのではないかと思う。

プレイする側もThe Longest Journeyの続編であることを期待してプレイしているはずだが、あいにくDreamfallの立ち上がりは遅い。どうでもよさそうな話からじわじわと関わり始めていくので、非常にかったるい。過去のボーイフレンドなんてどうでもいいじゃないか、そんなことよりもAprilだろ…というね。

あまりアドベンチャーゲームに造詣が深いわけではないのだが、これまでに面白かったアドベンチャーというのは、いきなり自殺を図ったりいきなり異世界に飛ばされたりいきなり交通事故で意識不明の重体になったりしていた。プレイヤーを惹きつける劇的なイントロは欠かせないのではないかと思う。
とにかくDreamfallでは、一見どうでもよさそうな(よくはないのだが)最初の数時間を乗り越えて、「あれ、もしかしてこの場所は前作の…」ということになってくると、ようやくエンジンがかかってくる。

Dreamfall-TheBorderHouse.jpg

とりあえず気になるのが、キャラクターの表情が非常に乏しい。
主役級のキャラでも、ほぼ無表情で目と口だけ動かして喋っているのが不気味だ。その辺のNPCとなると口しか動かない。2006年のゲームなので、表情豊かなHalf-Life 2だとかVampire: The Masquerade – Bloodlinesなんかはとっくに出ていたわけだから、もうちょっと頑張って欲しいところである。

The Cat Lady Hints and Conjectures

System

Q1.マウスは使えないの?
A.使えない。
基本はアローキーの上下左右とエンター。スペースキーで台詞を飛ばす、Escキーでセーブ/ロード。

Q2.色々設定できないの?
A.インストールディレクトリのwinsetup.exeから。
購入元によってはスタートメニューあたりから実行できる場合もある。
とはいえ、あまり気の利いた項目はなく、解像度も倍数でしか変更できない(Graphics filterから)。

Q3.セーブデータは上書き/削除できない?
A.出来ない模様。
セーブデータ数は50個が上限なので(マニュアルにも書いてる)、上限に到達したらファイルを直接管理する必要がある。
(追記:ver.1.3でセーブデータスロット数は150個になった)

Windows 7: <System Drive>:\Users\<Username>\Saved Games\Cat Lady

Windows XP (maybe): <System Drive>:\Documents and Settings\<Username>\Application Data\Cat Lady

“agssave.999″は恐らくシステムセーブデータなので消すとまずいはず。
ちなみに、一つあたり5~20MB程度となにをどう保存したらそうなるんだというくらい容量がでかい。無駄にリプレイできるように行動を全部保存しているんじゃないかと思うが。

 

以下はネタバレ(spoiler)を含むため、古典的な背景同色によって隠している。スタイルシートを独自に設定している場合やブラウザによっては、丸見えになっているかもしれないが。
まだ該当箇所までプレイしていない人は見ないこと。

 

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The Cat Lady part.3

クリアした。私的GOTY暫定1位。2012年にプレイしていたら間違いなく1位だっただろう。

 

 

ストーリーについて。

狂気、疑心暗鬼、トラウマ、友情、自己犠牲、そして復讐といった様々な要素が交錯するが、これらの紡ぎ方が非常に巧い。
途中からとある人物が登場するが、その人物のお陰でこのゲームはぐっと深みが増してくる。
全ての孤独から死にたがっているが生かされている者と、ずっと近い予見された死へと向かいつつも生きようとする者、この対比と二つの絡み合ったストーリー展開によって、The Cat Ladyは単なるゴアなホラーではなく、恐怖以外でも感情に揺さぶりをかけてくる生と死のドラマへと昇華している。

ゴアグロを見るのも駄目という人は残念だが、そうでない人には是非ともお勧めしたい。

関係ないが、Soundtrackも買ったはいいが、肝心のvocalの入った(恐らく)Licenced Songsは収録されていないのであった。がーんだな。