One Night Stand #1 Fuzzy Moody

目が覚めたら二日酔いで昨晩の記憶がなく、行きずりの関係をもったらしい見知らぬ女性と少しばかりお話をするゲーム。

ロトスコープが用いられており(Prince of Persiaのあれ)、バリエーションは少ないものの時折艶めかしい仕草を見せる。その動きと、定まらない輪郭線とエッジのない淡い着色は、二日酔いの朝の独特な雰囲気を醸し出す。

1回あたりの時間は30分未満とかなり短い。しかしながら、非常に細かく分岐していく。
何度もクリアして情報を少しずつ得て、真相を知りつつ様々なエンディングに到達するのが目的だろうか。プレイヤーの体験は残るが、ごく普通のゲーム同様にやり直す度にプレイヤーキャラクターの記憶は失われる。しかしそのスパンが非常に短いため、Life Is Strangeとは対称的なゲームとして映る。

真相を知ることが目的でもなさそうだし、特定のエンディングに辿り着くことがよいというわけでもない気がする。ただその少し気まずい雰囲気を味わうことが全てなゲームなのかなあ。

TIS-100 #1 Assembly

極少ない命令しかないアセンブリ言語を書いて実行して課題を達成していく。
名作SpaceChemを作ったところ、といえばピンと来るだろう。基本的にモノクロの画面で数値が書き換えられる様しか表示されないため、後発のSHENZHEN I/Oよりもストイックで人を選ぶ。

単純にコードを書いて課題を達成していくのであれば、それはゲームではないと思うが、このゲームでは計算機に演算ノードが複数個あって、それらは擬似的に並列動作する。擬似的というのは、一つの演算ノードで命令を一つ実行したら次の演算ノードの命令を一つ実行する非並列動作をするためだ。ゲーム的に言うと、SpaceChemの赤と青ノードは必ず赤、青と実行されるようなものだ。
それぞれの演算ノードにはレジスタが一つしかないため(保存用レジスタも一つあるが、読み書き以外の命令は出来ない)、演算ノード間で値をの受け渡しを行って協調動作させること必須になるのがこのゲームの味噌だろう。一気にパズルめいてくるし、解はプレイヤーによってより異なるようになる。

ところで、Official websiteには、「この計算機を、誰がどういう目的で作ったのかを解き明かそう」的なことが書いてあるのだが、SpaceChemのようにストーリー仕立てになっているわけではない。
実際の仕様書を模したようなマニュアルにバックグラウンドがちょっと書かれているいるだけで、ゲーム内ではひたすらに課題を解いていくだけだ。

The Vanishing of Ethan Carter

オブジェクトをインタラクションした際に浮かび上がるfloating textが出る度に、dogeのそれが頭を過ぎって駄目だった。もうちょっと良い表現は無かったのだろうか。

Original_Doge_meme

グラフィクスが綺麗なだけで、ゲームデザインはなかなか酷い。
無駄に広いフィールドをかけずりまわってインタラクション出来る箇所を探さなくてはならない。作った側としては、美しい景色を堪能してもらいたかったのだろうが、なかなか見つからなくてイライラしてきて結局とにかく走り回るだけになる。歩きしかなかったら投げ出していただろう。
Dear Estherは何かを解くことが目的ではなくて、景色と語りによるNarrativeを堪能することが目的で、それこそトボトボと歩くことに意味があったのだが、このゲームは探偵だかなんだかの役割として謎を自発的に解明していく必要がある。景色は二の次だ。

そもそも、クソ広いくせに導線がまともにないのが良くない。景色を味わった後に、探索するべき場所に誘導や推測させるようなものが無い。例えば、家が二軒見えたとしてたら、普通の人は手前の家から近寄ってみようとするだろう。その家にはパズルがあるのだが、そのヒントは奥の家にある。わざわざパズルを解くことを諦めて奥の家に行かなければ分からない。もしくは総当たりで解くことになる、そして総当たりでも解けてしまう。総当たりで解けるパズルのヒントなんて、パズルの前に仄めかしているもんじゃないか?
だだっ広い森の中のどこかとか、隠された鉱山の入り口とか走り回って探す以外にどうしろっていうんだ?

パズルは他にもいくつかあるのだが、大抵は何の脈絡の無いいわゆるロジカルではないと言われる類か、パズルですらない総当たりで解かせるようなものだ。このゲームをNarrative Gameという免罪符無しにAdventure Gameとして見るのであれば、駄目なAdventure Gameの典型だろう。

結局の所Narrativeの部分、ゲームプレイの酷さに目を瞑ってストーリーが楽しめるかどうかがこのゲームの善し悪しになるのだろう。しかし、私はストーリーも楽しめず、ゲームプレイを台無しにするオチだなとすら思った。ある種似たところにあるオリジナルDownfallのオチの方が狂気に塗れている分、ずっと説得力があるだろう。

Her Story

凄いゲームだった。

最初の5件、古い時刻順に5件まで表示という検索システムの都合上、きっと最後のムービーを掘り当てて再生する時がゲームの終わりだと思っていたのだが、違っていた。

HerStory-Coffee

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LIMBO

褒め言葉として、このゲームをデザインしたやつは、性格が悪いに違いない。
大抵の場所は初見で死ぬようにデザインされている。グレインノイズの効いたモノクロの世界で、無情にも死にまくるのは鬱陶しくもなかなか雰囲気がある。

パズルは難しくもあるが、理不尽ではない。死にまくりながらあれこれ試行していると十分解けるようになっているし、思惑にひっかからずに死なずに解けるとデザイナーとの知恵比べに勝ったような気分になれる。
いい塩梅で良くできていたよなあと、感心してエンドクレジットを見ていたら、デザイナーもプログラマーもテスターも意外に人数が多かった。偶然の産物ではなくて、相当練りこんだ上で出来たのだろう。

で、クリアしてから初めて知ったが、このゲームのストーリーというか前書きは、妹を捜しにLimboに入った、ただそれだけらしい。