The End of The Longest Journey

長旅乙であった。

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Balanceという割には、Vanguardという明確なEvilが用意されていたり、それが割とベタというか分かりやすい展開になったり。Balanceとは何ぞやという難解なプロットではなく、年齢を問わない分かりやすい内容である。

Aprilは不相応に大人びて達観しているわけでもなく、使命に燃えるどこか抜けたようなデフォルメされたキャラクターというわけでもなく、日常から唐突に非日常的な事象に放り込まれて困惑している青年として描かれている。特にDiaryでは内面が吐露されることが多いので、TODOリストとして読む以外にも価値がある。
Aprilと同じくらいの年代(18歳前後)の若者がプレイすると、彼女に共感出来る点も多く良いのではなかろうか。

フルボイスの英語も、スラングの強いNPCが結構いるものの、基本的にはゆっくりと喋ってくれるので聞き取りやすい。重要な出来事が記録されるDiaryや、ゲーム開始時までの全ての会話ログを読み直すことが出来るConversation Logもあるので、英語の学習用途としてもかなり良い部類だと思う。日本のノベルゲームのように、既読メッセージを読み返す際に音声も再生仕直すことができれば、なお良かったが。
BalanceだのGuardianだのSentinelだのVanguardだの、独自の用語も結構出てくるが、元の単語の意味から連想できるものばかりなので、あまり問題はないと思う。

システムも気が利いていて、使えるアイテムの場合はオブジェクトに重ねた際に点滅したり、Pでポーズして会話をじっくり読んだり、Xで移動地点の表示、Escで面倒な移動をスキップ、と快適に遊べるように至れり尽くせり。Point & Clickとパズル以外に煩わされることなく楽しめる、アドベンチャーゲームのお手本のようなゲームだと思う。